根頭癌腫病対策で必須な3つの対策

てん手左

根頭がんしゅ病対策3つのうちのひとつ、体内洗浄技術を解説します。

体内洗浄はバラ苗に潜伏する根頭癌腫菌を根絶させるための技術です。
癌化してしまった細胞に作用するわけではありません。

次亜塩素酸水であるピキャットクリアを吸わせて、体内にいる菌を死滅させることで、他のバラへの感染予防や、更なる細胞の癌化を食い止める事を狙います。

癌腫病の菌は非常在菌です。正しい対策で感染拡大を防ぐことができます。
大切に育てているバラが取り返しのつかない状態になる前に、対策をしていきましょう。

体内洗浄は癌腫菌がいる恐れがある株におこないます

(1)瘤無し 癌化細胞無し(正常株)
(2)瘤無し 癌化細胞有り(キャリア株)
(3)瘤有り 癌化細胞有り(発症株)

癌腫菌が体内にいるかどうかは電子顕微鏡を覗かない限り判断できません。
ですから、(2)、(3)がピキャットクリアによる体内洗浄の対象となります。

わかりやすく言うと、根頭癌腫感染苗を出しているナーセリーは癌腫菌キャリア苗だと判断し、根頭癌腫感染苗を出していないナーセリーは(1)であると判断します。
もちろん(1)でも念のために体内洗浄していただいても全然かまいません。

バラ体内の数兆ある根頭癌腫菌をすべて駆逐できるのか?

ピーキャットは有機栽培を主体としていますので、皆殺しの考えは持っていません。
ピキャットクリアによる体内洗浄ですべての根頭癌腫菌を駆逐できるのかと言えば、かなりの確率で駆逐できるモノの絶対は狙いません。

そもそも、根頭癌腫病感染は土壌やバラ自体が抵抗していきます。
バラ体内でも、有機酸や酵素、ホルモンの活躍により根頭癌腫菌を駆逐していきます。

ピーネコびっくり

へー!
ちょっと残ってても、バラちゃんが元気ならバラちゃんが頑張るのにゃ!


自然の摂理や生き物の特性を大事にする栽培がモットーですので、絶対を求める人はやらないでください。

ですが、皆さん実践して根頭癌腫病を克復しています。

ピキャットクリア以外は効果はわかりません

根頭癌腫菌は有機酸に弱く、次亜塩素酸水と有機酸を組み合わせた次亜塩素酸水であるピキャットクリアのみ効果を示します。

稀に「他の次亜塩素酸水を持っているので、それでも良いですか?」と質問される場合がありますが…
ピキャットクリアはどうしてコストをかけて「次亜塩素酸水+有機酸」としているのか?だけ答えておきます(*^▽^*)

ピキャットクリアが瘤を無くすわけではありません

ピキャットクリアで体内洗浄したのにまた瘤が出たと悪意の批判をされたことがあります。
そもそも、除菌剤が癌化細胞に作用するはずもなく…
ピキャットクリアは除菌剤ですので根頭癌腫菌に対してのみ作用します。

瘤や癌化してしまった細胞は、取り除くか老化してしまうかを待つしかありません。
癌化細胞、瘤の対処は「癌化細胞対策(瘤の処置、植えこみ技術)」でおこないます。

体内洗浄実践!

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ここからはバラの体内洗浄の作業の解説をします!
やることは至ってシンプルですが、所々ポイントがありますので、誤ったやり方で作業が無駄にならないようしっかり理解して取り組んでくださいね。

バラの根頭癌腫病対策!ピキャットクリアで体内洗浄しよう!

準備

必要なもの

・ピキャットクリア100ppm液
(・ピキャットクリアを作るための混ぜる棒、柄杓など)
・きれいに洗ったバケツやタライ
・しっかりと根から土やゴミを取り除いた状態のバラ
(複数本ある場合は何のバラかわからなくならないように、名前を付けておきましょう。)

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株の大きさにもよりますが、目安として、体内洗浄を行うバラが1〜2本であれば10Lバケツ、5本前後までであれば20Lバケツ、それ以上であればタライがお勧めです。

必要な場所

・直射日光が当たらず、ホコリのたたないところ
・水を流したり、水換えが出来るところ

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お風呂場でもいいかもしれませんね!

作業解説

0.バラの根をきれいに洗う

体内洗浄で使用するピキャットクリアは、有機物で汚れてしまうと一気に効果を落としてしまう液体です。
浸ける株は、しっかりと土を落としてください。根の薄皮が剥けてもかまいません。
水圧の強いジェットなどをかけると中の固まっている土も落ちやすくなります。(周りに飛び散るので、汚れても良い場所でどうぞ)

言わずもがな、この時点で癌腫のコブはしっかり取り去って下さい。
地際に瘤が出ている場合はナイフで丁寧に削り取ります。
根に瘤が出ている場合は、その根を根元から切り落とします。
切り落とすことが出来ないような重要な根の場合は、瘤だけできるだけきれいに取っておきます。

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切り取った瘤や根には癌腫菌が存在しています。
癌腫菌は樹液に居ますので、切り取った瘤も根も枝もすべて袋に入れて捨ててください。

1.バラを浸けるバケツに100ppmのピキャットクリアを作る

今回は洗浄するバラが3本なので、20L容量のバケツに、20Lの100ppmピキャットクリアを作っていきます。
直射日光の当たらない、埃の立ちにくい場所で行って下さい。

体内洗浄はピキャットクリアをたくさん使うので、生成セットでピキャットクリアを用意するのがお勧めです。

20Lの100ppm溶液は、生成液40mlずつで作れます。

▼生成セットからピキャットクリアを作る動画▼

 

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ピキャットクリア500を使用する場合は、水で5倍に薄めて100ppm液を作ってください。

2.バラをピキャットクリアに入れる

しっかりと根を洗ったこれらのバラを体内洗浄します。
剪定は仮剪定を行っただけの状態なので、枝が長めです。(植え付け後、2月頃に剪定をしました。)
品種名がわからなくなると困るので、名前をつけておきましょう。
今回、接ぎ木テープに名前を書き縛ってあります。(方法は何でも良いです。)

これらのバラをまとめてゆっくりとピキャットクリアの中にいれ、3~4時間放置します。
終わったら、軽く水で洗い流しましょう。

▼ピキャットクリアに浸ける~洗うまでの動画▼

 

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これで体内洗浄は終わりです。
終わったらすぐに植え付けできます。

最後、ダメ押しの癌腫病対策

最後に木酢液200倍をバケツに作って株元まで5分間漬け込むと、癌腫病対策としてより強力になります。
隙間まで液が行き渡るように、ジャブジャブと洗うようにしてから浸けてください。

癌腫苗であった場合、いろいろなところに癌腫菌が潜んでいる可能性があります。
当面は木酢液の酸性を利用して抗菌しておきます。
最後は軽く水洗いしてから植え付けてください。

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これで病気が治るのか?

体内洗浄をばっちりしたから、もうコブが出たりはしない!
とは、残念ながら言えません。
根頭癌腫病菌への感染度によります。

すでに癌化した細胞が出来てしまっている場合は、体内洗浄後もまたコブが出来てしまう可能性が高くなります。
一概には言えませんが、コブがあって取り除いてから体内洗浄したものは数年コブが出続ける可能性が高いです。

しかし、体内の癌腫菌は洗浄しているので、新たに正常な細胞が癌化する可能性は限りなく低くなります。

癌腫病菌を保持しているキャリアのまま育てるのと、菌を保持していないノンキャリアで育てるのでは、安心度も異なります。

【当店からのお勧め】
・癌腫キャリアが疑わしい苗を手に入れたら、コブが見えなくても体内洗浄をしておく
・癌腫キャリアが疑わしい苗は、挿し木をしたり、切り接ぎなどで接ぎ直しをして、癌腫感染の根から脱する(穂木はピキャットクリアで洗浄すること)

私たちの願いは、根頭癌腫病を広げないこと、そして大好きなバラを健全に長く楽しんでいただくことです。

大事なポイント!Q&A

Q.体内洗浄は次亜塩素酸ナトリウムでもできますか?

A.絶対にやらないでください。

「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」は異なる物です。
主成分は同じ「次亜塩素酸」ですが、pHが全く異なります。
漂白剤などで一般的な「次亜塩素酸ナトリウム」は強アルカリ性です。
「次亜塩素酸水」のピキャットクリアは弱酸性です。

弱酸性なので、生き物にも安全に使用することが出来るようになっています。

Q.バラへの悪い影響はありませんか?

A.バラに悪い影響はまったくありません。

ご不安に思う方のために、この動画で使用した株の翌春の写真を載せておきます。
※上の株の写真と同じ順番で並んでいます。

Q.バラの根っこに泥汚れが残っていたみたいで、水が濁ってしまいました

A.泥で汚れてしまうと、バラがピキャットクリアを吸う前に、失活してしまっている恐れがあります。
多少のゴミが浮くくらいはあまり急激な失活はしませんが、泥汚れは一気に失活してしまい、作業が意味の無いことになってしまいます。
漬ける前に水が濁らないくらいに汚れが落ちているかしっかり確認してからおこなうのがお勧めです。

Q.これで、もう癌腫のコブは出なくなりますか?

A.今後もコブは発生する可能性はあります。
癌腫病のコブは、癌化した細胞があると発生する可能性があるので、癌腫菌がいなくても、すでに癌化した細胞を持つ株だった場合は体内洗浄後もコブが作られる可能性があります。

体内に癌腫菌が居ない可能性が高いですが、念のため再度体内洗浄することをお勧めします。

Q.たくさんの本数を一度に浸けたら、効果が薄まりますか?

A.その可能性が高くなるので、漬ける時間を長くして下さい。
たくさんの本数をつけると、その分不純物の入る可能性も高くなるので、失活しやすくなります。
その場合は、適宜浸ける時間を長くすることで、ピキャットクリアを体内に巡らしやすくなります。
生産の時は、たらいにたくさん浸けるので、夕方から朝まで1晩置いていることがほとんどです。
朝の時には、大体20~30ppm位まで失活していますが、暴露時間を長くすることで十分な効果を出せます。

Q.毎年やっても大丈夫なものでしょうか?

A.もちろん大丈夫です。
菌がもう居ないとはいえ、またコブができると不安なものです。
また、違う株から感染してしまっている可能性も否めません。
徹底したい株は、毎年体内洗浄してあげましょう。

Q.一度漬け終わったピキャットクリアを、そのまま次の体内洗浄にまた使えますか?

A.使えません。
上記にもありますが、体内洗浄が終わったピキャットクリアは大きく失活しています。
新しく行う場合は、新しいピキャットクリアを用意して下さい。

Q.葉がついている時期でもできますか?

A.出来ないことはありませんが、リスクは大きいです。
葉がついている時期は、葉からの蒸散が行われているので、吸う力は大きいですが、ダメージも否めません。
よほどの事が無い限り、休眠期に行うのがお勧めです。

Q.新苗も体内洗浄できますか?

A.出来ないことはありませんが、リスクは大きいです。
新苗を体内洗浄したい場合もあります。
しかし、新苗はまだ根も柔らかい白根が多く、枝葉も柔らかく、葉も落とすことが出来ません。
そういった株の根をむき出しにし、次亜塩素酸水にさらすことは、ダメージも否めません。
バラの扱いに慣れている方、栽培に精通している方でしたら行っても問題ないかと思います。
初めての方やご不安な場合は、ご相談も承ります。